コーヒーの汚れは主に3種類です。(1)コーヒーオイルの酸化膜: 器具表面に残った脂質が酸化し、古い油の臭いを次の一杯に移します。サーバーの内側が茶色く曇る、あの膜です。(2)微粉の堆積: ミルの経路やフィルターの目に残り、酸化して雑味の発生源になります。(3)水垢(スケール): 水のミネラルが加熱部に固着し、ケトルやマシンの効率と味を落とします。「器具の味」がする一杯は、たいていこの3つのどれかが原因——手入れとは、変数をゼロに戻す作業です。

01 毎日のリセット

日次の手入れは1分で終わります。ドリッパー・サーバー・カップは使用後すぐ湯か水でゆすぐ(乾く前なら洗剤不要のことが多い)。金属フィルターは目に微粉が残るのでブラシか流水でしっかり。フレンチプレスは分解してメッシュの微粉とオイルを流す(kn-087)。エアロプレスはゴムパッキンを押し出して水洗い10秒。ネルは煮沸→水中冷蔵(kn-085)。ポイントは『乾かす前に流す』——乾いて固着したオイルは、後で何倍もの手間になります。

02 週次・月次のディープクリーン

週〜月単位では蓄積汚れを狙います。茶色く曇ったサーバーやカップは、酸素系漂白剤(または専用のコーヒー器具用洗浄剤)に浸ければ新品の透明感に戻ります。ミルは月1回、ブラシと専用清掃タブレットで刃と経路の微粉・油脂を除去(kn-096)。電気ケトルは クエン酸を溶かして沸かし、水垢を溶解。エスプレッソマシンはバックフラッシュ(逆洗)と定期的な湯垢除去(デスケーリング)がメーカー指定の頻度で必要です。「専用洗剤は大げさ」と思われがちですが、コーヒー汚れは油+色素の複合で、実は台所でも手強い部類です。

03 素材別の注意点

素材で作法が変わります。アルミのモカポットは基本水洗い(kn-094)。銅や真鍮のケトルは研磨剤の使いすぎで表面を傷めない。樹脂ドリッパーは高温の食洗機で変形する製品がある(表示確認)。木製ハンドルやネックは浸け置き厳禁。ステンレスは最も気楽ですが、塩素系漂白剤は錆の原因になるので酸素系を。そして意外な盲点が『布巾とスポンジ』——生乾きの布巾の匂いはカップに移ります。コーヒー器具専用のスポンジと清潔な布巾を分けておくと、最後の詰めが締まります。