試験の要項はシンプルです。(1)前日までにリハーサル——当日出す豆とレシピで一度淹れて確認。ぶっつけ本番はしない。(2)二択の質問を用意——「ホットとアイスどちら?」「ミルク使いますか?」。相手に選択権を渡すのが、もてなしの第一歩です。(3)豆を量るところから相手の見える場所で——ミルの音と立ちのぼる香りは、あなたが19回かけて手に入れた最高の演出装置です。

01 採点基準は一つだけ

この試験の採点基準は、味ではありません。「相手がまた飲みたいと言うか」——これだけです。そのために効くのは、上手さより配慮: 熱すぎない提供温度(第14回の氷、第15回の水の知識はここで効きます)、砂糖とミルクを黙って添える優しさ、蘊蓄は聞かれたら一言だけ、という節度。失敗しても大丈夫——お代わりを淹れ直せる在庫と心の余裕こそ、この講座で一番伝えたかった「上達」の形です。