コーヒーチェリーを外側から見ていくと、(1)外皮(赤や黄色の皮)、(2)果肉(パルプ)、(3)ミューシレージ(ぬめりのある粘液質)、(4)パーチメント(種子を包む硬い内果皮)、(5)シルバースキン(種子に密着した薄皮)、そして中心に(6)種子=コーヒー豆、という6層構造になっています。ふつう1つの果実に種子が2粒、向かい合わせに入っており、片面が平らなのはこのためです。まれに1粒しか育たなかった丸い豆が「ピーベリー」です。

01 果肉は甘い——でも食べるところがない

完熟したコーヒーチェリーの果肉はほんのり甘く、ライチやプラムに例えられます。ただし果肉層は薄く、食用としてはほぼ流通しません。近年はこの果肉を乾燥させたお茶「カスカラ」が飲まれるようになり、精製の副産物に価値を見いだす動きとして注目されています。ミューシレージは糖分を多く含み、ハニープロセスやナチュラル精製ではこの糖分が乾燥中に種子へ風味の甘さを移すと考えられています。

02 どの層をいつ取り除くのか

精製とは、この層構造を「どの順番で・どこまで」取り除くかの工程です。ウォッシュドは収穫当日に外皮と果肉を除去し、発酵槽でミューシレージを落としてから乾燥。ナチュラルは果実まるごと乾燥させ、最後に一気に脱殻します。どの方式でも、輸出前の脱殻(ドライミル)でパーチメントを外し、生豆の状態で麻袋に詰められます。シルバースキンは焙煎の熱で剥がれ、「チャフ」として焙煎機から排出されます。