2015年2月、ブルーボトルコーヒー(his-010、rst-011)が東京・清澄白河に日本1号店を開きました。開店前から行列が続き、「サードウェーブコーヒー」は一気に流行語に。倉庫街だった清澄白河はロースターが集まる「コーヒーの街」に変貌し、国内では浅煎りシングルオリジン・ハンドドリップ・焙煎所併設カフェという様式が広がりました。
興味深いのは、創業者ジェームス・フリーマンが公言してきた日本の喫茶店文化(his-017)への敬意です。一杯ずつのハンドドリップ、カウンターの静けさ、道具への愛着——サードウェーブの美学の少なからぬ部分は、日本の純喫茶とバッハ系自家焙煎(his-018)の影響を受けていました。つまり2015年の「黒船」は、日本発の美意識が太平洋を一周して帰ってきた里帰りでもあったのです。以後、国内ロースターの世界大会での活躍(rst-010の焙煎世界一など)と相まって、日本は世界のコーヒーシーンの中心のひとつになっています。