1686年開業のカフェ・プロコップは、パリ最古のカフェとしてヴォルテール、ルソー、ディドロら啓蒙思想家の溜まり場になりました。『百科全書』の構想もカフェの議論から育ったと言われます。18世紀末のパレ・ロワイヤルには政治カフェが密集し、検閲下の王政で唯一「声に出して議論できる場所」として機能していました。

1789年7月12日、カフェ・ド・フォワの前でカミーユ・デムーランがテーブルに登り、市民に武装を呼びかけます。その2日後がバスティーユ襲撃——フランス革命の号砲は、カフェの椅子の上から鳴らされたのです。ロンドンのコーヒーハウス(his-004)が金融を生んだように、パリのカフェは革命と近代思想を醸成しました。