デカフェ(カフェインレスコーヒー)は、生豆の段階でカフェインを除去してから焙煎したコーヒーです。除去方法は大きく3系統。(1)水を使う「スイスウォータープロセス」や「マウンテンウォータープロセス」は、水に溶け出した成分からカフェインだけを活性炭フィルターで除き、風味成分を豆に戻す方式。(2)「超臨界二酸化炭素法」は、高圧のCO2がカフェインを選択的に溶かし出す方式で、風味の保持に優れるとされます。(3)有機溶媒を使う方式は海外では一般的ですが、日本では薬剤(ジクロロメタン等)を使った脱カフェイン処理豆の輸入が食品衛生法上認められていないため、国内で流通するのは実質的に水方式とCO2方式です。
01 「まずい」と言われた理由と、今
かつてのデカフェが物足りなかったのは、除去工程で香味成分まで失われやすかったから。近年は除去技術の進歩に加え、「良い生豆をデカフェにする」という発想の転換が起きました。スペシャルティグレードのデカフェが増え、カッピングで通常豆と遜色ないスコアを出すロットも登場しています。デカフェ専門の焙煎やブレンドを持つロースターも増え、選択肢は年々豊かになっています。
02 日本の表示ルール
日本のレギュラーコーヒーの公正競争規約では、「カフェインレス」と表示できるのはカフェインを90%以上除去したもの。海外では97%以上除去(EU基準は生豆中0.1%以下)を「デカフェ」と呼ぶなど、国・地域で基準が異なります。いずれもゼロではないため、カフェインを完全に断つ必要がある人は主治医の指示を優先してください。夜の一杯、妊娠・授乳期、カフェインに敏感な体質——デカフェは「コーヒーを諦めない」ための技術です。