精製で果肉を取り除いた豆は、まだ水分をたっぷり含んでいます。これを保存・輸送に耐える状態にするのが乾燥工程。目標は水分値(含水率)を約10〜12%に落とすことです。乾かし方には、天日乾燥(パティオやアフリカンベッドで太陽の力を借りる)と、機械乾燥(ドラム式の乾燥機)があります。天日はゆっくり均一に乾き風味が良いとされますが、天候に左右され時間もかかる。急ぎすぎると豆の外だけ乾いて中心が湿ったままになり、保管中に品質が劣化します。乾燥は『速さ』ではなく『均一さ』が命です。
01 水分値がなぜ重要か
水分値が高すぎるとカビや発酵の再進行を招き、低すぎると豆が脆くなり風味も枯れます。10〜12%という範囲は、微生物の活動を抑えつつ豆の風味を保てる絶妙な帯。さらに乾燥後すぐ脱殻せず、パーチメント(内果皮)を付けたまま数週間〜数か月『レスティング(休ませる)』させることで、豆内部の水分が均一化し、味が安定します。この養生を経てから輸出直前に脱殻するのが、品質重視の産地の定石です。
02 ドライミルと選別
輸出前の最終工程がドライミル(乾式精製工場)です。ここでパーチメントを機械で剥き(脱殻=ハリング)、生豆の状態にします。さらに重要なのが選別: スクリーン(ふるい)で大きさを揃え、比重選別機で軽い欠点豆を飛ばし、色彩選別機や人の目で黒豆・虫食い・発酵豆を除きます。この欠点豆除去の徹底度が、カップのクリーンさを最後に決めます。スペシャルティグレードは欠点数の許容が非常に厳しく、手選別に膨大な人手をかける産地も少なくありません。