「湯に溶けるコーヒー」の実用化の先駆者には、1899〜1901年頃に米国で可溶性コーヒーの製法を発表した日本人化学者・加藤サトリの名が刻まれています(kn-048)。その後も各国で改良が続きますが、風味の劣化が壁でした。転機は大恐慌——ブラジルの膨大な余剰豆(his-025)の活用先を探していたネスレ社が、長年の研究の末、1938年に「ネスカフェ」を発売します。
第二次世界大戦が普及を決定づけました。米軍の携行糧食に採用されたインスタントは、戦場で世界中の若者の習慣となり、戦後の家庭へ持ち帰られます(kn-048)。日本でも高度成長期の食卓に急速に浸透し、「コーヒー=お湯を注ぐもの」という時代を築きました。凍結乾燥(フリーズドライ)技術の登場で品質はさらに向上し、今日のプレミアムインスタントへ続きます。