コーヒー属(Coffea)の植物は約130種が知られていますが、商業栽培されるのは実質3種。アラビカ(約6割)、カネフォラ=ロブスタ(約4割)に続く「第3の種」がリベリカです。西アフリカ原産で、木は10m近くまで育ち、葉も果実も大ぶり。病気に強い一方、風味の評価が安定せず、世界シェアは1〜2%程度にとどまります。ただしフィリピン(現地名バラコ)やマレーシアでは日常の飲み物として根付いており、独特のスモーキーでフルーティーな個性が近年再評価され始めています。

01 よみがえったステノフィラ

2018年、シエラレオネで「絶滅したと思われていた」野生種ステノフィラが再発見され、コーヒー研究界のニュースになりました。この種は高温に強いうえ、専門家のカッピングで「アラビカと間違えるほどの風味」と評価されたのです。アラビカが気温上昇に弱いことを考えると、暑さに耐えて味も良い野生種の存在は、品種開発の遺伝資源として大きな希望とされています。

02 エクセルサ、ユーゲニオイデス — 静かな注目株

リベリカの変種として扱われるエクセルサは、東南アジアで少量栽培される個性派。そしてもうひとつの注目株がユーゲニオイデス。実はアラビカの「親」にあたる種(アラビカはユーゲニオイデスとカネフォラの自然交雑から生まれたと考えられています)で、カフェインが少なく、砂糖のような甘さを持つことから、近年バリスタの世界大会で使われて話題になりました。生産量はごくわずかで、高価な「実験枠」ですが、コーヒーの味の可能性を広げる存在です。