カップ・オブ・エクセレンス(COE)は、1999年にブラジルで始まった、生産国ごとの最高峰のコーヒー品評会です。仕組みはこうです——その年に生産されたコーヒーを農家が出品し、国内審査と国際審査で複数回のカッピングを重ね、高得点(通常87点以上など)を獲得したロットだけが『COE』の称号を得ます。選ばれたロットは国際的なインターネットオークションにかけられ、世界中のロースター・バイヤーが競り落とす。落札額は生産者に(高い比率で)還元され、無名の小農が一夜にして世界に知られることもあります。

01 オークションの熱狂

COEオークションでは、突出したロットに破格の値が付きます。通常の相場の何十倍、時には1ポンド(約454g)あたり数百ドル、記録的なものでは数千ドルという落札額も。2004年のパナマ・ゲイシャの衝撃(kn-026)以降、希少品種や卓越したロットへの世界的な争奪は加熱し続けています。この価格は生産者にとって『品質が報われる』という直接的なメッセージであり、良いコーヒーを作る強力な動機になります。落札した豆は、ロースターにとっても看板商品。COE入賞ロットは、その年のコーヒーシーンの話題をさらいます。

02 産地にもたらした変革

COEの意義は、単なる価格の話を超えています。第一に、品質を客観的に評価する国際基準を産地に持ち込んだこと。第二に、無名の小規模生産者に世界市場への道を開いたこと。第三に、『品質に投資すれば報われる』という成功例を示し、産地全体の品質向上への動機付けになったこと。透明なオークションで生産者に対価が直接届く仕組みは、相場に翻弄されるコモディティ経済への対案でもあります。COEを運営するACE(Alliance for Coffee Excellence)は、多くの生産国でこの品評会を展開し、スペシャルティの発展を支えてきました。